Wunderlist、Todoist、Nozbe、Any.do そして Toodledo…オンラインToDo管理サービス比較+定番タスク管理メソッド(後編)
『早く「後編」を!』という声なき声にお応えし、前編のオンラインToDo管理サービスに続き、定番の「タスク管理メソッド」を勝手にご紹介します。
「タスク管理メソッド」としていますが、その範囲は広く “タスクを処理して意味のあるものにする” ための考え方や概念、テクニック、あるいは哲学と言って良いと思います。
今回ご紹介するのはいずれも多くのファンがいる有名なものばかり。
ToDo管理サービスと組み合わせる…、あるいはそのエッセンスを取り込むことで、より自分にあったタスク管理を目指せるのでは、と考えています。
すでにご存知の方も『全て知ってるし、試したし、取り入れている…』という方以外は、どうぞ整理がてらにご覧ください。
目次
5つのタスク管理メソッド
この記事でご紹介するタスク管理メソッドは、以下の5つです。
【目次】
- GTD®(Getting Things Done®)
- TaskChute(タスクシュート)
- カエルを食べてしまえ!(Eat That Frog!)
- ポモドーロ・テクニック®(Pomodoro Technique®)
- プロジェクト・マネジメント
それぞれ理解を深めるうえで参考になる本、ツールやサイトをリンク先でご紹介しています。
それでは早速ご紹介です。
GTD®(Getting Things Done®)
まずはこちらを。
下記はGTD®(Getting Things Done®)の生みの親、デビッド・アレン(David Allen)氏が数年前の来日時にGTDについて語っている動画です。
(珍しく日本語の字幕が入っているのでご紹介します。)
恐らく「GTD」を『聞いたことも無い…』という方は少ないでしょう。
「前編」でご紹介したオンラインツールでも、「GTD」については
「ツールにGTDの考えを取り入れて使う」前提でそれぞれのサービスで解説をしています。
【参考サイト】
- Todoistで仕事の能率をあげよう (GTD)
- Todoist and GTD: 5 Steps to Truly Organize Your Life | Todoist Blog ※英語
- 「生産性を高めるための10ステップ」頭をすっきりさせること Nozbe
- Toodledo : Getting Things Done® (GTD®) ※英語
- GTDとToodledo|基本・ヘルプ|Toodledo Tips
※上記の勝手日本語解説です。
このようにヘルプでも解説され、実際にGTDの考え方に沿ってこれらのツールを使う人が多いのは、
GTDでは「1.収集、2.処理、3.整理、4.レビュー・見直し、5.実行」といった重要な各ステップにおいて、頭の中から頭の外に追いやられた情報を「信頼のおけるツール」で管理していくことになります。
といったGTDの各ステップが、タスク管理サービスのようなデジタルツールと相性が良いのがその理由でしょう。
「収集」ではタスクやメモをどんどん放り込んでいくInboxとしての役割、「それ以降のステップ」ではタスクをステータス管理し、適当な条件で抽出・フィルタできるツールとしての役割が必要です。
もちろん「紙」でもやろうと思えばできますが、扱う情報が増え続けて、デジタル情報が増える中、物理的な制約の少ないデジタルツールはやはりこれからもGTDの中心になっていくのではないでしょうか。
また、ヘルプやガイド等で “GTD対応” をうたうツールとしては、下記も有名かと思います。
【ツール・アプリのサイト】
書籍では、はじめてのGTD ストレスフリーの整理術 にその全体像が記されていますので、ぜひ一度ご覧になることをオススメします。
TaskChute(タスクシュート)
もはや “知る人ぞ知る” では無くなってしまった感のある、有名なタスク管理ツール。
日本語版 Microsoft Excel上で動作するツールでしたが、最近TaskChute(タスクシュート)の考え方でタスク管理ができる
「iPhoneアプリ」もリリースされているようです。
【ツール・アプリのサイト】
TaskChuteの開発者である 大橋悦夫 氏は、監修の著書 なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか? ~「時間ない病」の特効薬!タスクシュート時間術 の「TaskChute誕生秘話」の中で、以下のように書かれています。
(当方は Kindle版 で読みました。)
(略)最初に直面した3つの課題は、このExcelシートを作ることですべて解決することができました。
1.抱えている作業量を正確に把握する
2.自分の作業スピードを正確に把握する
3.(略)
これは、
1.に対する “タスクに対する見積時間の割り当て”
2.に対する “タスクに要した記録の蓄積”
というこのツールの機能・仕様が、このツール(ツールを使ったタスク管理術)の “スタート地点”、かつ “コアな要素” であることを物語っています。
また、著者である 佐々木正悟 氏は上記の著書で「タスクシュート式」タスク管理メソッドについて、詳しく書かれています。
「タスクシュート式」タスク管理メソッドについては、当ブログでも上述の “コアな機能” をエミュレートできるよう Toodledo上で動作するインスパイア系ツール(EndTime2、TaskLog)を公開しており、管理人自身がもっとも影響を受けているタスク管理メソッドと言っても過言ではありません。
当ブログ作成のツールについては、佐々木さんの著作等でも一部ご紹介いただいておりますので、お時間ある方はこちらもご参考になさってみてください。
【参考書籍 Amazon】
カエルを食べてしまえ!(Eat That Frog!)
「カエルを食べる」とはあまり穏やかではありませんが、同名著書が元になった仕事術(時間管理術)で、海外では人気があるようです。
以下の動画では著者のBrian Tracy(ブライアン・トレーシー)氏が、このメソッドの解説をおこなっています。
※私のように英語良くわからんという方は、Youtubeの字幕をオンにして「翻訳」から日本語を選んでみてください。ある程度意味は伝わると思います。
特に「ABCDE法」と呼ばれる、タスクに優先度を設定し処理する手法は、タスクに属性を付与できるオンラインToDo管理サービスと相性が良いと思われ、Toodledoではページを設けて解説しています。
【参考サイト】
- Toodledo : Eat That Frog ※英語
- Eat That Frog(カエルを食べてしまえ!)|基本・ヘルプ|Toodledo Tips
※上記の勝手日本語解説です。
“本当に大事なもの以外を積極的に先送り・後回しにする(積極的な先送り)” 原則は「Eat That Frog(カエルを食べてしまえ!)」の中でも重要な考え方なのです。
とあるように、タスクを積極的にやらないことをよしとする “シンプル” で “柔軟” なメソッドのため、自分なりに解釈しタスク管理の仕組みとして取り入れやすいのではないでしょうか。
書籍は日本語訳版があります。分量が少ないのでKindle版もある原書をご覧になっても良いかもしれません。
【参考書籍 Amazon】
- カエルを食べてしまえ!
- [Kindle] Eat That Frog!: 21 Great Ways to Stop Procrastinating and Get More Done in Less Time
- Eat That Frog!: Get More of the Important Things Done – Today!
ポモドーロ・テクニック®(Pomodoro Technique®)
他のメソッドとは少し対象範囲が異なっていますが「生産性アップ」というキーワードでは必ずと言っていいほど登場するテクニックです。
※これまた英語良くわからんという方は、Youtubeの字幕をオンにして「翻訳」から日本語を選んでみてください。でも…若干日本語あやしいです。
このテクニックの内容は簡単に言うと以下のようなものです。
「タイマーを25分にセットしてタスクをおこなう」
「数分休憩する」
(以降繰り返し)
オンラインToDoサービスとの関連では、以下の記事にあるようなタイマーアプリと共用する、あるいは Toodledoのタイマー機能 のようなものを使って時間を計測するといった利用が考えらえます。
(※タイマーがついているToDoサービスが少ないのが、少し疑問だったりするのですが…)
また、上記のToodledoのタイマー機能自体はあまり使いやすものではないので、TaskLog のようなヘルパーツールを利用して、タイマーをラクに活用するのもオススメです。(宣伝)
【参考サイト、参考書籍 Amazon】
プロジェクト・マネジメント
最後はプロジェクト・マネジメントです。
プロジェクトマネジメントとはプロジェクトを成功裏に完了させることを目指して行われる活動のこと
(wikipediaより)
上記の通り、プロジェクト・マネジメント(の手法)は、ある意味 “究極の段取り術” であると共に、歴史を通して先人のノウハウを蓄積したものと言えます。
さらに誤解を恐れずに言うと、パーソナルなタスク管理ツールの歴史は、このノウハウを個人の活動や作業に、モチベーションと関連付けて如何に落とし込むか…という進化の歴史だったように思います。
前編でも書いたとおり、オンラインのタスク管理サービスは個人のToDo管理のみではなく、チームでのコラボレーションツールとしての機能が拡張されてきています。
また、プロジェクト管理とToDo管理というキーワードで見ると、Microsoft ProjectやRedmine。Asana、Jooto、Brabio、Backlog など書ききれないくらい多くのツールやサービスが提供されており、今後個人のタスク管理とどう融合されていくのか、興味のあるところです。
と、少し小難しい話になりましたが、プロジェクト・マネジメント および、Microsoft Project といったツールにある、
“所要時間の見積” や “進捗率の評価”
という手法などは、個人タスクの進め方にそのまま使えるものです。
またタスク管理メソッドそのものではありませんが、個人の活動を “パーソナルプロジェクトマネジメント” として紹介されている本もあり、最後にご紹介したいと思います。
【参考サイト、参考書籍 Amazon】
(当方はKindle版で読みました。)
以上、いかがだったでしょうか。
これらのメソッドは、オンラインタスク管理サービスの設計思想や自身の利用方法に深く関わる部分とは言え、すべてやる必要はありません。
メソッドに頼らず自己流でうまく使えればそれが最強だとは思います。
気に入った(気になった)部分が少しでもあれば、ぜひご自分のタスク管理や生活に取り入れてみてください…。